4月1日
この日は希望の始まりであり、絶望の始まりでもある。
今朝の満員電車。俺はいつものように乗客達に押しつぶされながら朝から労力を使っていた。
俺の乗車スタイルまさに完璧だぜ?必ず鉄棒を握りしめるんだ
理由は簡単で、揺れてバランスを崩すのが嫌なのと、それによって周りに迷惑をかけるのが嫌だから
俺はまさに聖者のような存在だね
スマホいじったり、読書したりしてる奴は、やたらと人に寄り掛かる。
俺みたいなマナーを守った素晴らしい人間の足を引っ張るんだ。参っちゃうよな
俺はそんな奴の為にも朝から頑張るブラック企業の三等兵だ
そんな中、電車に入ってきた大学一年生とその母親。
新しい生活に不安と希望を抱きながら、その一歩を踏みしめ、その姿を見守る母親の姿。
なんとも言えない暖かさと明るさが、ブラック過ぎる朝の満員電車を照らした
俺も大学初日。その生活の変化に戸惑いながらも必死で生きていたと思うぜ
まともに勉強してこなかったが、大学で初めて勉強の楽しさを知ったってのは本当のことだ。
しかし、社会人になり、あの頃の輝きはどこへ消えてしまった。
社会人初日。
俺が何をしたというのだ?なんでこんな罰を受けなければいけない?
俺は素直にそう思った。
会社務めという罰を受けたような感じを今でもずっと背負っている。まさに、当時の俺は4月1日はまさに絶望だ。
人によって希望か絶望かわかれる。それが4月1日だ。
ちなみに社会人になってからの4月1日とは実に悲惨なものだ
教育機関に行っているころは、毎回毎回、この4月1日は新しいもので何かしらの希望があったはずだ。
それなにも、社会人になると、この特別な日はただの営業日になる。
悲しいよな?エイプリルフールとか関係ないぜ?ただの営業日。
クリスマスだって平日なら、ただの営業日。
社会人になるってことは、1日1日を無駄に過ごす。浪費するってのと変わらないね。
だって、毎日ただの営業日を過ごしているだけだからな
何が新しいのか?何が希望なのか?
腐っちまったよ。鈍っちまったよ。
俺は社会人になって人生って楽しくないんだって実感したね。
俺たちはこんな罰を受けるために勉強してきたのか?
かなり過激な言い方かもしれねーが、これがブラック企業に勤める三等兵の素直な気持ちだぜ?
そんなこともあり、俺は今日という日は朝から憂鬱だった
金曜日といえば、多少の心の平穏が訪れるナイスな曜日のはずだが
今日の俺は違った。未来ある大学生を目の当たりにして、俺にない希望を持った学生の熱に俺は圧倒された。
そして出勤すればいつものように奴隷生活の始まりだ。
携帯電話は没収されてロッカーの番号も指定されて、牢獄に収監させられる。
何が新年度だ!ふざけやがって!イライラが隠せない俺は、何も言わず逃げるように定時で帰ってやった
このブラック企業から勝ち逃げしてやった
来週怒られるかな?
ITブラック企業に入った新社会人へ
必死で逃げろ!