俺が客先常駐1年目で死にたいと思った話

あれは社会人一年目の事だった。

俺は自転車を運転しながらこんな事を思った。

目を瞑って走れば…

なんてことを…

営業「進藤くん、この現場はみんな明るくて仲良い所だよ」

営業から案件紹介を受けた。これは断ることができないので、基本は強制参加だ。しかも新卒が案件を断るなんてできない。どんなに糞雑用案件でも行かないといけない。

底辺IT糞ブラック企業では、人材育成という概念は無く、とにかく客先に突っ込ませる。どんなに長期の雑用案件でも平気でほん投げてくる。

とりあえずそんな知識は当時の俺にはない。
会社が何を考えているのかとか、営業が言っていることは嘘とか、そういったことが何もわからない状態だった。そう。無知だ。

とにかくエンジニアは来た案件紹介は受けていくものだと思っていた。

職場環境が良くて仲の良い案件ならいいか。マジでその程度だ。その程度の考えでその現場への面談(違法な事前面接)へと向かっていた。

途中で中間搾取会社(多重派遣偽装請負大好きな違法な会社)の人間の引き渡され、その中間搾取会社の人間として面談を受け、現場入りが決まった。

現場はボロビルのワンフロアだった。

仲の良い現場だと?俺は騙されたとわかった。みんな死んだ魚のような目で、パソコンのキーボードを叩きつけていたのだ。

薄く黄色がかったような証明で、なんともいえない気持ちになるような部屋には、パソコンが大量に並んでいた。

そのなんとも言えない状況と、単独での客先常駐ということで、相談相手もいないし、新卒で何もわからない状況で俺はしばらくポカンとしていた。

しばらくするとプロパー社員が俺の目の前にやって来た

プロパー「進藤さん、この資料を作ってもらえますか?手順書あるんで見ながらやってください。」

俺「はい。」

エクセルにまとめられている資料作成の続きだった。手順書を見ながらやったが、これでいいのか?あってるのか?という不安でいっぱいだったが

「どうやるんですか?」

と質問することができなかった。プロパー社員は忙しそうにキーボードをぶん殴っているし、こんなことでプロパー社員様に質問なんかしたら殴られるんじゃないかという恐怖で萎縮してしまった。

こんな時先輩社員がいれば相談できるんだろうけど、今いるのは新卒のゴミエンジニアの進藤京介一人きりだ。

俺はこの先やっていけるのだろうか?そんな不安に押しつぶされそうになっていた。

適当に資料作成を終わらせて、しばらくじっと待って周りを見ていた。

1つの客先に複数の会社が常駐していて、他の会社はチームで来ていたので、業務の話をしていた。
一つの発注会社にいくつものを元請がいて、さらに色んな会社が請けてっていう多重請負構造だった。

そんなこんなで気が付くと定時を30分ほど過ぎていた。
そこでプロパー社員がやってきて一日の終わりを告げてきた。
「進藤さん。今日はもういいですよ。お疲れさまでした」

その日、営業からラインが入っていた。

「進藤くん、初日お疲れ様。何か不安な点はない?」

営業はいい人かもしれないと思った。確かに騙されたようにして常駐したが、どっちみち断る道もなかったんだし、こんな風に進捗を聞いてくれる営業ならむしろ良かったじゃないか?と。

常駐2日目は、プロパーが別場所で作業だった。俺は進藤さんへと書かれたメモ帳を見た。

進藤さんへ

まずは、あれこれをお願いします。

次にそれこれ

ここまでを13時までにお願いします。

それから、それこれをやってください。

昼過ぎには戻ります。プロパーより。

まず13時までにやれと言われた作業のやり方が全くわからなかった。

どうしようと悩んでいたが、もう相談するしかないと思い近くにいた別のプロパー社員に相談してみた。

プロパー「これって設定はどうなってるんですか?」

俺「わかりません」

プロパー「はあ…」

カチカチカチ

プロパー「できました」

俺「ありがとうございます」

俺はこの時わかった。わからないことがあったら、なんでもいいから聞くしかない。

プロパー社員からすれば、常駐している人はある程度の技術があって常駐しているものだと考えている場合が多い。

だが、そんなことはどうでもいい。不安で仕方ないのはわかるが、とにかく聞くしかないんだと。

それからの日々は、とにかく命令されてはやるの繰り返しで、俺は単独常駐による孤独感と絶望感で、開始1ヶ月で辞めたい気持ちでいっぱいになった。

俺は正社員として自社に入社したのにもかかわらず、派遣社員のように他社で雑用係をさせられている。
一体、何のために就職をしたのか?

そして俺は営業に電話した
初日に連絡してきてから、この営業とは一切連絡を取っていなかった。
初日のラインだけがこの営業とのトーク履歴には残っていた。

俺「すみません。もう辞めたいです。無理ですこの現場」

営業「え?なんで?なんか言われたの?」

俺「いえ…俺のレベルじゃ無理です。」

営業「最初は仕方ないよ。」

俺「いや…もう無理っす」

営業「進藤くんの現場は単価が高いから給料上がるよ」

俺「マジッスカ頑張ります」

俺は金のために頑張ることにした。
他の同期社員も長時間労働で苦しんでいたり、しょうもない仕事に従事させられていたりと悩んでいた話も聞いていたので、負けちゃいけないと思った。

それからは地獄のような日々だったと思う。

毎日毎日、大量の資料作成と、SQL文の作成をやれと命令された。単純な労働だがどうしてもミスが出る。

大量のSQL文を手作業で作るのだから無理もないはずだ。
だが実際にミスが起こるとプロパーにグチグチ言われることになる。
普通に怒るのではなく、嫌味ったらしく言われたので効きまくった。

プロパー「なんでこんなこともできないんですか?」

プロパー「難しい事は頼んでないですよ」

プロパー「進藤さんは何ができるんですか?」

俺は涙声で謝った。

俺「ごめんぐさい」

プロパー「はぁ…何がごめんなさいなんですか?」

俺「何もできなくて」

プロパー「はぁ…」

俺はこの頃から食欲不振に陥ったふりをしていた。
病気のフリをすれば心配されて優しくされるだろうと目論んだ。

だがそれでもプロパー社員からは怒られ続けた。

俺「すみません。なんか…」

プロパー「だから、なんかって何ですか?喧嘩売ってるんですか?」

俺「すみませんち…」

そんなことを繰り返していたら、食欲不振のフリをしていたが、ガチで食欲不振になってしまったw

こういったときにケアしてくれる人が周りに誰1人いないというのは、とても辛かった。

そして給料が上がると言われ信じ続けて働いてきた俺は、いつになったら給料が上がるのか?金をよこせと営業に聞いてみた。

営業「わかんない」

俺はこの時わかった。

あれは営業の営業トークだったんだと。

とうとう俺は働く意欲も無くし、金も無くし、全てを失い、自転車に乗っていた。

目を瞑って10秒運転したらどうなるんだろうとか考えていた。

そんな時、ふとこんなことを思った。
(死ぬくらいなら死んだ事にして頑張ろう)

とにかく日々の糞雑務を一掃しようと思い、ExcelのVBAという機能に目をつけた。VBAなんて機能があることすら知らなかったが、プログラミングの知識はある程度あったので、すんなりと目標を進めていった。

そして1つのモノを作り上げ、自身の業務自動化に成功したのである。

おかげで残業は激減したし怒られることも無くなった。

そんな日々を続けていると、憎たらしいプロパーが昼飯に誘ってくれた。
今までこんなことがなかったので、少しは認めてくれたのだろうか?

プロパー「進藤さん、マクロありがとうございました」

俺「え?あ…はい。」

なんと感謝の言葉を述べてきたのだ。俺はここで初めて達成感を味わったような気がした。だだが、昼飯を奢ってくれるとかはなかった。ケチだと思った。

その後なんとも憎たらしいあのプロパー社員が失踪するという事件が起きた。
激務に耐えきれず心身ともに不健康ということで、どこかへ消えていった。

それからというもの、別のプロパー社員がメインでついて仕事をするようになっていった。
まぁ基本的には、このプロパー社員の命令を聞いて雑用をこなすという仕事なんだが、なかなか人が良くて親切にしてくれたと思う。

ミスをしても次は気を付けましょう。今までと比べるとちょっと物足りない気もしたが、この人に迷惑をかけないように頑張ろうと心から思った。

それでも教育はほとんどない。やはりプロパー社員からすれば、俺のスキルが上がることよりも、雑務を片付けてもらう事が優先なのだ。

それから俺はいろんなことを感じるようになった

自分がやっているのは結局雑用でスキルアップなどできない。かと言って自社に相談相手もいないし、ズルズルとこの仕事を続けていくしかない。

そして同期社員は次々と辞めていき、気が付けば同期の半数が消えていった。

そしてやはり働く意欲が無くなっていった。

特定派遣が廃止されることが決定し、その猶予期間だが、いつか絶対にこの期間が終わったら、この会社を通報しますた^^とやってやろうと思っていた。

しかしそれは時間の無駄であり、俺は次に進まなきゃいけない。。。。

精神的に孤立していった俺は、もう何を考えても絶望しかなかったです
辞めたら無職、辞めなかったら孤独。
俺に残された選択肢は消える事だと正直に思ってしまった。

今回は続ける選択肢の中で必死に頑張ったのだが、退職という選択肢も良かったと思う。
無職になったら世間体を気にして苦しい思いをしたかもしれないが、若さという時間は何より価値があると思う。

そこで立ちなおして新しい道を踏み出すことができたかもしれない。。。。

新卒で右も左も分からない人間を、とにかく客先にぶっ飛ばして利益を出させるだけのブラック企業を許していいのか?
そしてそういった新卒社員を容赦なく使い捨てる客先常駐という働き方。

この業界で底辺ITブラック企業に入社すると、なかなか辛い経験をすることになる。

偽装請負、多重派遣、こういった被害にあうことはできるだけ避けるべきだ。

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コメント

  1. 同じような境遇の30代エンジニア より:

    毎日見ています!

    • 進藤京介 より:

      コメントありがとうございます
      これからも暇なときにでも見ていただければ嬉しいです!

  2. 漆うしる より:

    毎回楽しみに読ませていただいております。

    私もこのような人売りITと呼ばれる会社に5年ほど勤めていました。
    正直言って、この5年は時間の無駄で、ただきついだけで転職に有利になることもなく(実際に1回失敗している)、冤罪で刑務所に服役していた気分です。
    私も営業が嘘つき役立たずというのはあるあるでした。
    稼働時間が短い⇒毎日終電・休日出勤も当たり前
    上司のパワハラが酷いので早く退場したい⇒全く改善されないどころか強制的に契約延長。
    伝えられている仕事内容と違う。それに伴ってスキルミスマッチが発生していて、その改善策を派遣元のプロパー社員・中間搾取会社・自社に問い詰められる。
    営業に相談した所で無駄です。ただの手配師くらいに思っておいた方がいいです。

    ちなみに、今はもう辞めて無職です。
    私はアラサーと呼ばれる歳かつ職務経歴的にも、人売りITを転々とするか別業界に行くにしてもブラック企業に行くしかない八方塞がりです・・・。
    こうなったらやけくそでIT業界の実態を公にしてやろうと思いブログを書いています。

    お互い辛いですが、ブログを通してIT業界の実態を公にしていきましょう!

    • 進藤京介 より:

      コメントありがとうございます。

      偽装請負や多重派遣で成り立つこの業界で、パワハラや異常な長時間労働とは
      物凄く大変な経験をされましたね・・・

      私たちにできることを少しでもやっていければいいですね!
      お互い頑張りましょう!